Steve Weir

長年si-listに貢献してきたSteve Weir氏が亡くなったそうです。TeraSpeed Consultingを経てIPBLOXという会社を立ち上げ、技術責任者として長い間SI業界に貢献してきました。
2007年のDesignConでお会いしたのが最後で、ユーモアたっぷりで少し皮肉屋な印象を思い出します。
ご冥福をお祈りします。

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「ケイデンス、ハイスピードPCBおよびICパッケージング解析のSigrityを買収」(7/3付)

7月の出張予定が二転三転してなかなか決まらないので、今月のイベント(EMC・ノイズ対策技術展とか)をどうしようかと考えていて、ケイデンスのCDN Live Tokyoも今月だったなぁ、そういえばデナリのMemconってどうなったンだっけ?と気になって調べてみた。忘れていたのだがデナリは2010年にケイデンスに買収されていて、本家のMemconも2011年以降はCDN Liveに吸収されてしまったそうだ。日本開催のCDN Liveにはデナリ/Memconのトラックが無いみたいで寂しい限り。

で、ケイデンスのトップページを見て、このニュースリリースに気付いた。

「ケイデンス、ハイスピードPCBおよびICパッケージング解析のSigrityを買収」(7月3日発表)

元々ケイデンスのPCB/パッケージ設計ツールは、内蔵の(一般的な=あまり高速でない)シグナルインテグリティ解析機能に比べると、今日のGbpsクラスの高速伝送やPI/EMIといった進んだ解析機能がそれほど充実しておらず、他社のツールと組み合せて使うことになるので、こういった方面を得意とするツールベンダーを取り込んだこと自体は不思議ではない。
ただ、ケイデンスと組合せで使うフルウェーブ解析やPI解析ツールというと、筆頭は旧アンソフトのツール群というイメージが強かったので、シグリティというのはちょっと意外だった。もっとも、アンソフト自体はアンシスという巨大CADベンダーに吸収されてしまっているので、いくらツールの親和性が良いからといっていまさらケイデンスが買収できるものでもないだろう。そうすると、残っているベンダーは数が限られてきて、その筆頭であるシグリティを選ぶのは妥当なところだろう。
もう一点、シグリティ自体も当初SPEED98→2000と細々としたスタートの時期から比べると、いまや一大ツール群を抱えるメジャーEDAベンダーになった。初めのうちはそのうちどこかに買収されるのではないかと思っていたので、ここまで大きくなるまで独立を保っていたのが不思議なくらいだ。だから、いまさら買収!?とも思うのだが、ケイデンスのユーザで高速伝送・PI/EMIを扱う要求が多くなったということなのだろう。

さて、いまや世界的には大手2社(※)となったプリント板CADベンダーの、もう一方、メンターグラフィックスがどのようにでるのだろうか。一時期、Hyperlynxを始めとしてPCB CAD関連のEDAベンダーを積極的に買収していたが、高速伝送はHyperlynxである程度いいとしても、PI/EMIの分野はカバーしきれていない。フルウェーブ解析ツールを持っているベンダーを買収するにしても、あまりもう残っていないような気がする。小さなところはいろいろあるけど。
今後の動向に注目したい。

(※) 日本の図研さんも大手ですが、解析ツールはそれなりに充実しているようだからいいですよね。国内大手メーカーの内製ツールともつながっているようですし。頑張れ、日本のCAD。

海外でのベンダーの合併や買収があるといつもそうだが、日本の代理店さんが苦労しそうだなぁ、と。

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『ホール & ヘック 高速デジタル回路設計 アドバンスト・シグナルインテグリティ』

筆者が翻訳のお手伝いをした本が出版されたので、紹介したい。

「ホール & ヘック 高速デジタル回路設計 アドバンスト・シグナルインテグリティ」

芝浦工大の須藤先生が監訳された、原著はIntelのStephen HallとHoward Heckによる Advanced Signal Integrity for High-Speed Digital Designs.
Stephen Hallの前著、High-Speed Digital System Design: A Handbook of Interconnect Theory and Design Practicesは個人的に大好きな本で、この分野で有名な”Black magic"の本より良い本だと思っている(ハワードジョンソン先生には悪いけど)。非常に現場寄り、実践的な内容で設計の参考書になる本だった。ただ、2000年の発行ということもあり、近年のGbpsクラスの高速シリアル伝送の設計技術としては、いささか旧い感は否めない。
続編に相当するであろう本書は、そういった最新のトピックを盛り込んだ改訂版が期待される。確かに最新の設計に使われる手法も解説されており、ボリュームも倍増している。ただ、多くをそのための基礎からの導出に割いており、教科書的になった感は否めない。それ故、本書に前著のような直裁的な実用性を求める向きには、少々期待外れかもしれない。逆に言うと、基礎からきちんと系統立てた理論を身に付けたいのであれば、本書は最適である。また、最新の設計手法は応用的な側面が多く、ちゃんとした理解が前提に無いと付け焼刃的な対応以上のことはできないのかもしれない。

…などとエラソーに書いているが、要するに「少々、いやかなり小難しい本であるが、勉強だと思って読んでください」ということである。

さて、翻訳の方は他にも多くの、いずれも第一線で活躍されている皆さんが担当されており、お話をいただいたときにはほとんど割り当てが決まっていたようで、数式の多いめんどくさそうなところしか残っていなかった。実際、こうした翻訳作業は初めてで不馴れなので苦労はあったが、数式が多いということは訳す部分が少ないわけで、思ったより大変ではなかった。むしろ長い文章で書かれている解説が、英語なら理解できるのに日本語にすると上手く表現できていないというケースが多くて、久しぶりに「産みの苦しみ」を味わうことになった。
大変、貴重な経験をさせていただきました。これがエンジニアの皆さんの役に立てればこの上ない喜びです。

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SPICE 40周年

米国に来ています。

...とは言っても、この時期に開催されるISSCCに参加するためではなく、全く別のお仕事で滞在しています。

例年、ISSCCは2月上旬にサンフランシスコで行われ、ちょうど同じ時期にサンタクララでDesignConが開催されるので、サンフランシスコ~シリコンバレー付近(こちらではサウスベイエリアという)は混み合うのですが、その時期は旧正月に当たるため、今年からISSCCの開催は少し遅いこの時期に移動したそうです。旧正月、中国や韓国の人々に配慮して外したようですが、これらの国からの発表や参加が著しく増えたということなのでしょう。

さて、タイトルのとおり、SPICEが40周年を迎えたということで、それを記念してSPICE 40周年記念イベントが、Mountain ViewにあるComputer History Museumで開催されます。午後6時からだから、あと1時間ほどでスタートでしょうか。
1971年にUCバークレイ校で産声を上げるところから、広く世界に使われるようになるまでの経緯や、これからの展望、そして代表的なオープンソースアプリケーションのさきがけとしての話題を、ラウンドテーブル形式で関係者が語るというものになるそうです。

40年前に生まれたソフトウェアがいまだに現役で使われているというのはすごいことだと思います。

...いいなぁ、行きたかったなぁ。

(USTREAMあたりで中継しないかなと思ってるのですが、どうやらなさそうですね)

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DesignCon2011ビデオコンテスト優勝作品がすごい件。

先週開催されたDesignCon 2011の企画で、Chiphead® Video Contestというのが行われ、そのビデオを見ることができるのだが、スゴいので一度見てみてほしい。

ADS上でハート型の平面を作り、それをチャネルシミュレーションしてアイパターンを出すのだが、そのアイパターンもハート型。マジックみたい。...でも、コレ、ホントかなぁ...。

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レクロイ・ジャパンの社長交代

溜まっていたメールマガジンを読んでいて気が付いたのだが、7月5日付のプレスリリースレクロイ・ジャパンの新人事が発表されていた。
辻さんが退任され、これまで営業統括部長だった原さんという方が新社長となられるそうだ。
辻さんは技術部長になられるとのこと。個人的には辻さんは根っからの技術屋だという印象だったので、本当のところはどうか知らないが、本来のポジションに戻られたのかなと感じた。

ところで、プレスリリースの最後に「なお、仕様は予告なしに変更されることがあります。」と書かれているのに笑った。←これが書きたくてこのエントリを書いたようなもの(笑)。

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HyperLynxGHz

メンターグラフィックスのHyperLynx製品についてちょっと書いておきたい。

シグナルインテグリティ(SI)ツールとしては、最初からWindowsベースで動作して、価格も他のツールが一声1000万円の時代に100万円クラスからと手頃な値段で登場したツールだ。プリレイアウトの解析ツールLineSimとポストレイアウトのBoardSimの2本柱で、事前にIBISを独自形式に変換する必要も無く、使い勝手は悪くなかったと思う。
XTKをメインに使っていた時代に、広く回路設計者が使えるように導入を検討したことがあったが、当時は日本に代理店も無く、泣く泣く見送った。その後PADSに買収され、日本でも買えるようになったのだが、日本での販売価格が高くて驚いた。

ソリューションフェアで最新版の画面を見たが、LineSimのトポロジエディタ画面が良くなっていて驚いた。昔はグリッド状に伝送線路のテンプレートが配置されていて、交点にノードとしてデバイスを配置するイメージだったのだが、配置もフリーでできるようになり使い勝手が良くなっているようだ。

HyperLynxには無印と「GHz」と付く2種類の製品群がある。
説明によれば、前者は~300MHz程度、後者は1GHz超が「目安」ということだった。要するに無損失か有損失かの違いによるものだが。メンターの持っているデータでは一般的に新規設計で使われる周波数のうち、約74%が300MHz以下、14%が1GHz以上だそうだ。
HyperLynxが最近のエンハンスで取り込んだ機能に、SPICEモデルやSパラモデルを使った解析機能がある。これはメンターが元々シリコン系ツールで持っていたEldoという、いわゆるSPICEライクなツールのエンジン(ADMS)を解析に使用できるようにしたためで、ハイエンドなSIツールと比べても遜色ない機能を持つことになる。

以前はベース価格100万円くらい(LineSimのみ)から、ボード解析を付けたりクロストーク解析を付けたりで結局ずいぶんなお値段になってしまったのだが、GHzオプションも付けると結構な値段になるのだろう。それでもハイエンドツールに比べるとまだ手頃な価格かもしれない。
パターン設計CADからのデータ変換精度などまだ検証すべき項目はあるのだが、一度使ってみたいツールである。

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Ray Andersonその後...

Raymond Anderson氏は結局、Xilinxで職に就いたようだ。(si-listに投稿されたメールアドレスより)
前稿で、米国には基板レベルの回路設計者は必要とされていないのかも、と書いたが、Rocket-IOとかRapid-IOといった高速インターフェイスを搭載するようになって、FPGA/PLD方面ではまだまだSignal Integrityの技術屋が必要とされているようだ。

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Ray Anderson解雇!?

si-listをこれまで維持してきたSun MicrosystemsのRaymond Anderson氏が、Sunを解雇されたらしい
これまでSI engineerのコミュニティを支えてきた氏の活動が、会社にとってどう捉えられてきたのかは知る由もないが、基板設計が台湾・中国にシフトしている昨今、日本やアメリカでは基板レベルの回路技術者は必要とされなくなっていくのかも知れない。
Ray Anderson氏は引き続きSignal Integrityの仕事をシリコンバレーで探して続けていくようだ。彼ほどの人材ならば引く手あまただろうから心配はしていないが...

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Si-List FAQ

si-listにFAQページができたみたい。
http://si-list.org/wiki/wiki.pl?Si-List_FAQ
WiKiです。最近のトピックスにはいくつか解説がついてるけど、まだまだこれからという感じ。
使われ方次第では、SI界でのWikipediaになるかも...

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