« June 2019 | Main | November 2019 »

標準規格とテクノロジードライバー



昨日10月23日は4年ぶりにPCI-SIG Developers Conference Asia-Pacific Tour (Tokyo)に参加してきた。

今年5月にPCI Express Base Specification 5.0が正式に発行され、PCIe 5.0がスタートした。市場にはまだまだPCIe 4.0対応製品が出始めたばかりだが、PCIeは次のステップを踏み出したことになる。PCIe 5.0では32GT/s(レーン当たり32Gbps)と4.0規格の2倍の速度をサポートする。これを実現した技術は、

  • 超低損失のプリント基板
  • トランスミッターのジッターを2倍以上低減
  • リファレンスクロックのジッターを3倍程度低減
  • 32GT/sに対応したリファレンスCTLEイコライザー

だと説明された。(Mazumder, ”PCIe 5.0 Electrical Update”)

あたかもPCI-SIGが技術を開発したかのような説明だが、もちろんこの規格標準団体の直接の成果ではない。ではPCI-SIGのような規格標準化団体は、ハードルの高い仕様だけ決めて、座して技術が開発されるのを待っているだけなのだろうか。

テクノロジードライバーは、標準化団体か企業か。

実現困難な仕様で規格を作っても標準にはなり得ない。なので標準化団体は業界のトレンドを見据えて規格を策定している。もちろん、中核を成す企業が先進的な技術開発を進めているため、難しい技術を先んじて取り入れることができる点もあるが、標準化することでフォロワーとなる業界の各企業も技術を進化させることができるという側面もある。なので、実際に技術開発をする主体は企業であっても、標準化によって先進的な技術を牽引しているといえる。

注意しなければならないのは、標準規格には開発企業の特許が含まれる可能性がある点だ。ほとんどの場合、標準化団体には競合する会社が参加しているので特定企業のみを利する技術は避けられるものだが、参加社の特許が入ってしまうこともある。また標準化したからと言って特許フリーになるわけでもないので気を付けたい。たいてい必須特許は安かったりライセンス料でカバーされるものではあるが。

 

| | Comments (0)

« June 2019 | Main | November 2019 »