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アルテラのPDN Design Tool

久しぶりにsi-listからの話題。"Altera's PDN Design tool - what changed?"というスレッドが立っていたので、アルテラのツールってなんだろう?と思ってアルテラのサイトを覗いてみた。

Power Distribution Network Design Toolのページにそのツールや関連資料が掲載されている。
Altera_www

アルテラのFPGAのユーザではないので、デバイスに依存しないバージョンをダウンロードしてみた。zipファイルの中身はマクロ付Excelスプレッドシートだ。なのでExcelがインストールされた環境で開く必要がある。OpenOfficeのような互換環境でも動くかどうかは試していないのでわからない。

ファイルを開いて最初に表示される[Decap Selection]タブは、左上に計算条件と電源仕様を入力する。計算条件では、VRMのタイプ、インダクタンスプロファイル、BGAビアの計算方法、プレーン容量の計算方法を指定できる。
電源仕様の項目はターゲットインピーダンスを求めるために必要な情報を入力する。
Altera_pdn_1

下の段には配置するデカップリングキャパシタの個数やパッケージサイズなどを入力する。バルクキャパシタも追加できる。

右上にグラフがあり、周波数-インピーダンスのグラフが、VRM、各キャパシタ、プレーンと合成インピーダンスについてプロットされる。

このツール自体が持っているキャパシタの情報以外に、ユーザ定義の情報を追加して使うこともできる。これは[Library]タブに入力する。ユーザ定義のデカップリングキャパシタが4個まで、バルクが2個まで定義でき、さらに既存の容量のものも含めてユーザ定義のパッケージ寄生値を定義することもできる。
このタブで基板の材料定数やVRMの寄生値など、ツールで使われるパラメータを管理している。
Altera_pdn_2

プレーンのストレーキャパシタンスは[Plane Cap]タブで、物理的な寸法情報を入れて計算する。
Altera_pdn_3

BGAビアのインダクタンスは[BGA Via]タブでビア径、ドリル径やビアピッチ、ビア長から計算する。
Altera_pdn_4

キャパシタの実装方法は、部品の横にビアを打つタイプと、部品の両端にビアを打つタイプが選択でき、パッケージタイプごとに寸法情報も定義することができる([Cap Mount]タブ)。
Altera_pdn_5

特性のよい三端子(X2Y)コンデンサを選択することもできる([X2Y Mount]タブ)。
Altera_pdn_6

このツールで検討して決めたパスコンの部品表(BOM)が入ったレポートに清書することができる。
Altera_pdn_7

このsiblogでも何度か紹介しているギガヘルツテクノロジーPDN Designerを試しに使ってみて、パスコンの検討を手軽にできる便利さに惹かれたのだが、なかなか買ってもらうのは難しい。なんとか既存のツールや無料のツールでできないかといろいろ検討した。
もちろん、Spiceを使えばできるのだが、キャパシタのESR、ESL値に加えて実装に伴うインダクタンスの見積もりをして、Spiceネットリストを作ってAC解析し、グラフ表示させるという一連の作業を毎回おこなうのは面倒この上ない。
ちょっと良いなと思ったのはAnsoft Designer SVで、研究用途に無料で使うことができる上に、部品ベンダからキャパシタのライブラリが提供されているので、キャパシタをいちいちLCRで表す必要がない。Sパラを使うことができるので、精度も信頼でき、またSパラでないと特性が表現できない部品も使うことができる。
ただし、やはり毎回回路図に部品を並べてあげないと解析できないという欠点はある。

その点、このアルテラのツールは手軽さでは勝っている。ユーザインターフェイスも悪くない。キャパシタが等価回路モデルでしかなくSパラを使えない点では、PDN Designerを超えることはできていないが、そこにこだわりがなければ十分代替になるツールなのではないだろうか。

さて、si-listでの質問はVersion 2でアルゴリズムの改善があったらしく、以前と結果がずいぶん違うけど…という内容だった。ダウンロードしてきたバージョンはVer 1.1だったので、バージョンアップでいろいろ変わるのだろうか。今後もフォローしていきたい。

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