EDN1月号: 徹底研究! DC-DCコンバータのノイズ対策
EDN Japan 1月号の「徹底研究! DC-DCコンバータのノイズ対策 [実践編]」は大変ためになる記事だった。
先月掲載された[理論編]につづき、今号の[実践編]では「設計/実装における具体策」というサブタイトルの通り、具体的な設計上の注意点が示されている。[理論編]ではノイズの加害者・被害者を明確にし、回路要素の寄生成分に着目して、ノイズが発生源からどのようにして伝搬していくかを詳細に追跡している。記事を理解しながら追いかけていくのはやや大変だが、回路に存在するわずかなインダクタンスが、回路部品の寄生容量と共振してノイズを発生するメカニズムが良く判る。インダクタンスを小さくすることがノイズを小さくする近道だという強い主張である。
[実践編]ではインダクタンスループを小さくする、実装設計の考え方を紹介している。
普段、高速信号の伝送路を扱っていると、リターンパス(帰還経路)はリファレンスプレーン、すなわち内層ベタと考えてしまうが、電源回路ではそれではいけないらしい。部品を配置する表面層に、電流のリターン、つまりグラウンドをベタで設けるべきということだ。加えて、電源回路部の下部、内層もグラウンドベタとする。これは電流の帰還経路ではなく、あくまで反対側の層に対するシールドと考えるべしということである。
ある程度の周波数以上の電流は、どうしてもリファレンスプレーンとなる内層のグラウンド面に流れてしまうだろうが、電流が最小インダクタンスの経路を流れるとすれば、インダクタンスの高いビアを経由するリターンパスよりも、インダクタンスの低い表面層に最も多く流れるはず。
コイルの下の、一次側と二次側のパターンを十分に離すというのも重要だそうだ。ここが近いと互いの容量結合が大きくなり、ACノイズが通過してしまう。
電源回路を形成するパターンには大電流と相応のノイズが乗る。このため、電源コントローラICのグラウンドは表面のグラウンドパターンからではなく、内層のグラウンドベタに取るべき。
実装設計上の注意点は、まとめるとおおよそこんなところだろうか。
ビアを多用して多層に回路を配置するのは高密度実装の定石で、ついつい意識せずに詰め込んでしまいがちだが、
回路をコンパクトに収めることはインダクタンス低減に効果がある一方、ビアを使った多層化は電源をノイジーなものにしてしまうらしい。
電流経路に存在するビアや部品の寄生インダクタンスや、寄生容量といった「悪玉」を意識しながら、電流の経路を想像して設計することが、ノイズの低い設計には必要なようだ。
素晴らしいことに、これはEDNお得意の米国版からの翻訳ではなく、日本TIの財津さんによる日本発の記事である。雑誌を購読していなくてもWebで読めるので、それぞれにリンクを張っておく。












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