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DesignCon 2007: 2日目

2日目は40分のPaper sessionと最後にTechnical Panelの組合せ。また今日から展示会(Exhibition)も始まった。正直言ってPaper sessionは身体がもう2つ3つ欲しいような盛りだくさんの内容。
Img125_1

7-TA1-2: Crosstalk due to Periodic Plane Cutouts
信号パターンがピン間を通る場合などに、アンチパッドを介して層間クロストークが起きる現象の考察。Sun Microsystemsの発表。4ポートSパラメータの解析と実測によって、パッドからの距離との相関や周波数特性を分析していた。低周波に見られるλ/4と奇数倍高調波の共振、高周波のλ/2と偶数倍高調波のピークが特徴的。パッドからの距離が小さい方が(パターンがアンチパッドに掛かっている方が)クロストークが大きいのは当たり前といえば当たり前だが、意外に見落としがちな層間クロストークに着目した点は興味深い。
Snapshot_of_the_test_board

6-TA2: Fiber Weave Effect: Practical Impact Analysis and Mitigation Strategies
インテル。プリント基板の基材に使われるガラス繊維とエポキシの誘電率の違いによって生じる、差動線路のペア内ディレイ差(スキュー)に関する考察。多数の基板で測定を行い(こういうことができるのはさすがインテルと言わざるを得ない)、誘電率の差は最悪値で0.8とできる、としている。4インチで約60psのスキューが生じる。波形に与える影響はビットレートと配線長に依存し、ほぼ2インチ以下なら問題無いという。ガラス繊維がどこにくるか事前に予測は難しいので、配線を傾けるなどの回避方法を考えなければならない。10度というのがほぼ最適値であると結論された。
Pcb_vendor_rotates_image
実験のためにテスト基板を中国のベンダに発注し、わざわざ10度傾けたガーバを渡したのだが、ベンダが気を利かせて元に戻してくれたので出来上がりは普通の基板になってしまった、というエピソードに会場大爆笑。しかし、新しいことをやるのはそれほど難しい、というハナシである。
Rotated_product_design_1

6-TA3: Developing a "Practical" Model of Vias - Part II: Coupled and Grounded Return Vias
IBM。昨年のビアの解析モデルの検討をリフレッシュし、結合のあるビアモデルまで拡張して考察した内容。インダクタンスを用いずに、インピーダンスを係数に使った依存電源(CCVS)モデルを構成している。ただし、アンチパッド部のビア-プレーン間の結合は単純な容量モデル。インピーダンスを求める部分が複雑だが、それ以外は至ってシンプルなモデルにもかかわらず、実測ともよく合っている点は興味深い。このモデルを単純に拡張して結合のあるビアモデルを構成しても、やはり良好な相関が取れているところにモデルの完成度の高さが覗える。ただこの場合にはインピーダンスは行列を構成することになるが。
パターンからビアに遷移するところで、TEMからTEGにモード変換が起きるので、実はビアというのは取り扱いが難しいものなのだが、それを意識させないよくできたモデル化である。

12-TA4: Comparing Time-Domain and Frequency-Domain Techniques for Investigation on Charge Delivery and Power-Bus Noise for High-Speed Printed Circuit Board
ミズーリ・ローラ大(UMR)のJames Drewniak教授によるデカップリングの「講義」。結論はパスコンまでの距離が大きくなるとインダクタンスが大きくなるのと同じ、というものだが、ハナシが面白く、こんな先生に教わるなら楽しいだろうな、と感じた。長いタイトルの通り、周波数領域と時間領域の両方から考察していて知識の整理という意味でためになった。

7-TP1: Impact of Backplane Connector Pin Field on Trace Impedance and Vertical Field Crosstalk
Img126
ラムバス。内容は午前中最初のSunのものを追認するもので、アンチパッド上の配線間(層間)クロストークの解析と考察。"Vertical Field"とあるので、配線とビアやピン間のクロストークの話題を期待したのだが、それは無かった。"Vertical"とは層間の意味だったのね…。Sun以上の内容が無かったので、セッション終了後、気になっている点を質問してみた。配線とビアのクロストークは解析してみたけど、実測との相関が取れなかったのだそうだ。やはりTEM進行波である配線と、それに直交するビアの振舞いの解析は難しいのか。以前、フルウェーブ解析してみたことがあるけど、実測が伴わなかったので本当かどうか確認できなかったことを思い出す。

7-TP2: Losses Induced by Asymmetry in Differential Transmission Lines
これもSunのIstvan達のチームの仕事で、差動線路の非対称性から来る損失・クロストークの考察。Sパラの検討が中心で、あまり役に立つ内容ではなかった。(…というかプレゼンター(Gustavo)が早口で判りにくかったのだが)

Technical Panel: Best Design Practice and Methodologies for High-Speed Serial Links
最後のパネルディスカッションは、高速シリアルリンクを設計するに当たっての手法や考えなければならないことをテーマに、パネラーから意見が出された。驚いたことに、5人のパネラーが取り上げたトピックがそれぞれ大きく異なり、議論が発散する様相を見せた。
印象に残っているトピック。Eric Bogatinは「ディファレンシャルモード、コモンモードというのをやめよう」という意見。理由は「混乱を招くから」。「シングルエンドか差動か」「偶(even)モードか奇(odd)モードか」でいいではないか、という意見には賛同できる部分もあるのだが。NESAのEd Sayreは特許に関する懸念を表明。きょうのIntelの発表(ガラス繊維のハナシ)はいいアイディアだが、Intelは特許も押さえている、ということ。同様のアイディアはSiemensも特許を持っていて、迂闊に使えない。これから新技術やアイディアの採用には常に特許侵害にならないよう注意が必要だ、ということ。SiSoftのMike Steinbergerは、SI技術者は「測定」「シミュレーション」の他に「解析」という武器を使う必要があるというハナシ。「解析」は「セルロースとカーボンのメモリ(つまり紙と鉛筆)」を使うのだと。要するに「考えろ」という、どこかで聞いたようなハナシでした。

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